人間の飽くなきスピードへの挑戦(憧れ)はとどまる所を知りません。レースの世界ではF-1,MotoGPと如何にスピードを落とさせるか、主催者側は苦慮しているようです。燃料規制、タイヤ幅、溝つきタイヤ、排気量、吸気口規制等々コンストラクターとのイタチゴッコが続いています。いくら規制しても技術の進歩はとどまる所が無く、年々ラップタイムは削られていきます。
少し前になりますが、Fujiスピードウェイにて走行会がありました。時間貸しの為、走行を待つ間ストレート後半でBIKEの走行をなんとなく見ていました。最新国産SB(1000CC)達=R-1,RR,GSX-Rが競い合い、怖いようなスピードで1コーナーを目指して突っ込んでいきます。現在のSB(スーパーBIKE)は車重=160Kg台、パワー=170PSの強烈さ、既に素人には扱い切れない代物になっています。しかし、技術の目覚しい進歩のお陰かそこそこ乗れてしまうのが怖い所です。
走り好きには垂涎の伊豆スカイライン等は、余りにもBIKEの死亡事故が頻発する為、BIKE規制が実しやかに呟かれています。BIKEが良くなり、タイヤの進歩も重なり多少乗れてくると「乗せられている」ということを忘れ、技量を過信して悲惨な結末に向かうわけです。
Fujiの話に戻りますが、SB達が競い合う中、ピットロード側ストレート金網越しを音も無く(風切り音のみ)漆黒のBIKEが「シュッン!」と駆け抜けていきました。SB1000クラスですから、軽く250オーバーは出ていると思います。それをいとも簡単に”ゴボウ抜き”して行くBIKEが走っていました。時間が過ぎ、パドックに戻ったBIKEの群れの中に”それ”は異彩を放ち鎮座していました。世界一が好きなKAWASAKI渾身のZZR1400です。SUZUKIハヤブサに奪われていた世界一を取り戻すべく開発した車両です。車重=215Kg!思いのほか軽いんですね。パワーは控えめの190PS(ラム過給で軽く200超えでしょうね)、遅いわけが有りません。こんな物が150万ぐらいで乗れてしまうのですから、凄い時代になった物です。
Moto GPの世界では07yより現在の排気量990ccが800ccに変更になります。これも当初、2サイクル500ccに対抗するには4サイクルでは倍位は必要ではないかとの試算で決められた排気量ですが、実際にレースが始って見ればとんでもないパワーで、地上の乗り物では最高の加速力ではないかと言われています。どのギアでも簡単にウイリーしてしまうし、少しアクセルをあければスピニングの連続!タイヤがもちません。各メーカー、溢れるパワーを如何に使いやすく、スピニングを誘発せずに前に行くようにするか、これに心血をそそいでいるようです。800ccに落としてもタイムは結局削られていくんでしょうね。
もーこれ以上は!これの繰り返しですが時代が進むと出てくるんですよね!更にすごい物が・・何処まで行くのでしょうか?
人間の適応性(潜在能力)も驚異的ですね、「これ以上はコントロールできないでしょう」なんて言われても更に上が出てきて、それを乗りこなしてしまう・・・たいした物です。